善光寺平土地改良区では毎年4月から5月にかけて組合員の皆様から賦課金を徴収させていただいております。先代から払っていたから払っているんだという方や、なぜ払わなければいけないのかわからないという方もいらっしゃると思いますので、ご説明をいたします。
賦課金はなぜ払わないといけないの?
根拠となるのが土地改良法という法律です。
土地改良法の36条に次のようにあります。
土地改良法 第三十六条
(経費の賦課)
土地改良区は、定款で定めるところにより、その事業に要する経費(第九十条第四項(第九十一条第四項及び第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)、第九十条第八項又は第九十一条第五項の規定により徴収される金銭を含む。)に充てるため、その地区内にある土地につき、その組合員に対して金銭、夫役又は現品を賦課徴収することができる。
2 前項の規定にかかわらず、土地改良区は、定款で定めるところにより、その准組合員が、その准組合員たる資格に係る権利の目的たる土地に係る組合員の同意を得て同項の規定により当該組合員に対して賦課すべき金銭、夫役又は現品の全部又は一部を当該准組合員に賦課すべき旨を申し出たときは、当該准組合員に対して、当該金銭、夫役又は現品の全部又は一部を賦課徴収するものとする。
3 第一項の規定による賦課に当たつては、地積、用水量その他の客観的な指標により、当該事業によつて当該土地が受ける利益を勘案しなければならない。
4 土地改良区は、その地区を変更する場合において、新たに編入される土地があるときは、第一項及び第二項に規定するもののほか、定款で定めるところにより、その土地について加入金を徴収することができる。
5 組合員又は准組合員は、第一項若しくは第二項の規定により賦課された金銭、夫役若しくは現品又は前項の加入金の徴収については、相殺をもつて対抗することができない。
6 夫役又は現品は、金銭に算出して賦課しなければならない。
7 夫役又は現品は、金銭で代えることができる。
8 土地改良事業の施行に関し第一項又は第二項の規定により賦課される夫役は、労働の基準又は賃金に関する法令の趣旨に沿うものでなければならない。
9 土地改良区は、第一項、第二項又は第四項の規定による場合のほか、定款で定めるところにより、都道府県知事の認可を受け、その行う土地改良事業によつて利益を受ける者で農林水産省令で定めるもの(以下この条において「特定受益者」という。)から、特定受益者の受ける利益を限度として、その土地改良事業に要する経費の一部を徴収することができる。
10 土地改良区は、前項の認可を申請しようとするときは、あらかじめ、農林水産省令で定めるところにより、同項の徴収の方法について、特定受益者及び市町村長の意見を聴かなければならない。
11 前項の規定により特定受益者又は市町村長の意見が述べられたときは、第九項の認可を申請するには、その申請書に、当該意見を記載した書面を添付しなければならない。
簡単に言ってしまえば、水利施設の修繕・維持管理費用を賄うために土地改良区は賦課金を徴収できますよ。と書いてあります。性質的は公租公課に近い強い公法上の負担となります。
賦課金は何に使われるお金?
賦課金は土地改良区が管理・維持をする水利施設の補修工事や維持管理のための費用として利用しています。
大規模な修繕工事を行うとそれだけで数百万、数千万、数億円のお金がかかることがあります。こういった時は、国・県・市などの補助を受けて水利施設の修繕を行いますが、必ず地元負担金として総額に対する割合での支払いをする必要があります。
賦課金を払わないとどうなる?
善光寺平土地改良区では、毎年の徴収時期の締め切りを大体5月の半ばに設定しています。
それまでに納入いただければ問題ありませんが、お支払いがない場合一度はご連絡をいたします。
それでも連絡がつかない、お支払いの意思が確認できない場合は、督促状をお送りいたします。
それでもお支払いが行われない場合、催告書をお送りし、最終的には所定の手続きの後に差押を行います。
土地改良法代三十九条
(賦課金等の徴収)
第三十九条 土地改良区は、賦課金等若しくはこれに係る延滞金又はその延滞金以外の第三十七条の過怠金を滞納する者がある場合には、督促状により期限を指定してこれを督促しなければならない。
(中略)
7 第四項及び第五項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税及び地方税の例による。
土地改良区は土地改良法を根拠にした公的な属性の団体であるために賦課金未納時の差押については土地改良区へ強い権限が与えられます。
また、賦課金の差押徴収の先取特権の順位も国税・地方税に次ぐものとなります。
決済金とは何?
土地改良区へ届け出をしている水田を宅地や畑にするなど、水田以外に転用する時には申請手続きが必要にになります。
この申請手続きと共に転用する土地の面積に応じてお支払いいただくお金が決済金です。
決済金も賦課金と同じく土地改良法によって定められたものになります。
土地改良法四十三条
(権利義務の承継及び決済)
土地改良区の組合員が組合員たる資格に係る権利の目的たる土地の全部又は一部についてその資格を喪失した場合には、その者がその土地の全部又は一部について有するその土地改良区の事業に関する権利義務は、その土地の全部若しくは一部についての権利の承継又は第三条に規定する資格の交替によつてその土地の全部又は一部について組合員たる資格を取得した者に移転する。
2 土地改良区の組合員が、組合員たる資格に係る権利の目的たる土地の全部又は一部についてその資格を喪失した場合において、前項の承継又は第三条に規定する資格の交替がないときは、その者及び土地改良区は、その土地の全部又は一部につきその者の有するその土地改良区の事業に関する権利義務について必要な決済をしなければならない。
決済金も賦課金と同じく土地改良区が管理・維持をする水利施設の補修工事や維持管理のための費用として利用しています。
なぜ決済金を払う必要があるの?
これは一番よく言われる質問になります。
賦課金と違い、「利用をしない施設の維持費用を使わなくなる人が払わなければいけないのか?」という点で疑問に思われると思います。
決済金の理由としては、利用者が少なくなるとしても施設の規模や修繕にかかる費用は少なくなるわけではない。という点がポイントになります。
例えば、組合員が100人で構成される土地改良区があり、組合員は一律に毎年1万円の賦課金を支払っているとします。
つまり、この土地改良区の施設の維持には毎年100万円の積立をしていかなければ施設が維持できないということです。
ところがある年に100人の組合員の内、50人が辞めてしまったとします。
この土地改良区に賦課金を収める人数は50人、つまり、賦課金が100万円から50万円になってしまったわけです。
当然それでは施設の維持ができないため、賦課金の額を一人2万円にしなければなりません。
水利施設は基本的に組合員が永年利用することを前提として整備されたものです。
そのため、途中で利用をやめる土地が増えると、残った組合員の負担が大きくなってしまいます。
このような残った組合員の負担が不公平に増えないようにするための制度が「決済金」です。
水田利用をやめて地区から外れる土地については、その時点で将来分の負担を精算することで、施設を利用し続ける組合員との公平性を保つ仕組みになっています。
賦課金も決済金も土地改良区の施設運営のために必要であることを、ご理解いただければ幸いです。