社会科見学 水路のひみつをのぞいてみよう!

01 まちをめぐる 水のひみつ

用水路の画像

用水路ってなに?

農家さんの田んぼや畑に、水を運ぶための道のこと。
地域によっては、野菜や果物の畑に使われることもありますが、善光寺平用水の水路は、米農家さんの田んぼに水を流すためのものです。

水はどこから流れてくるの?

裾花川の画像

裾花川すそばながわ

長野市街地の西側を流れる川です。上流で電力発電に使われたあとの水を、里島取水口さとじましゅすいこうという場所で取って、水路に流しています。

裾花川の水を取って
田んぼに送っているよ

犀川の画像

犀川さいがわ

長野市街地の南側を流れる川です。裾花川より大きな川で、犀川頭首工さいがわとうしゅこうという場所で水を取っています。犀川の水は、善光寺平だけでなく、川中島平の田んぼにも届けられています。

裾花川よりも
もっとたくさんの水を
取っているよ

02 水を管理している 人たち

みんなの水の守り人 長野県善光寺平土地改良区

長野県善光寺平土地改良区は、
善光寺平地域の農家さんが集まって
できた団体です。

私たちは、農家さんたちが農作物をたくさん収穫できるように、田んぼまで水を運ぶための水路をととのえたり、必要な水の量を管理したりしています。

土地改良区は、
全国に約4,000団体もあります

どこの水を管理しているの?

善光寺平と各水路の地図

緑色の部分が
すべて善光寺平の地域!

犀川の北側の地域を「善光寺平」と呼びます。地図の赤い線と青い線が、田んぼに水を届けるための水路です。
ここにえがかれているのは大きな水路だけですが、実際にはこの大きな水路から、細い水路が木の枝のように広がって、たくさんの田んぼに水を届けています。

どうやって公平に水を分けているの?

分水工の画像

なぜ、こんな施設が
つくられたの?

取水口から入った水は、水路を通って田んぼに運ばれます。でも、一本の水路だけでは、善光寺平の全部の田んぼに水は届きません。
だから「分水工」という場所で水を分けて、それぞれの地域に必要な量の水を届けています。写真は、上流から来た水を分けているところです。

03 干ばつと水争い

大正13年の水不足!

雨が降らなくて
水が足りない!

今から約100年前の大正13年(1924年)のことです。雨がほとんど降らない日が続き(干ばつ)、ひどい水不足になりました。田んぼに使う水が足りなくなり、2つの農家グループの間で大きな争いが起きてしまいました。この争いはとても激しく、警察につかまる人やけが人がたくさん出る大騒動になりました。

大正13年の水不足の際の新聞切り抜き画像。「長野の水争ひに一名検束さる、十六日も両者譲らず」と掲載されている。

新聞にも取り上げられるほど、
大きなできごとでした

当時は、鐘鋳堰組合かないせぎくみあい八幡山王堰組合はちまんさんのうせぎくみあいという2つのグループが、時間を分けて水を使うルールを作っていました。
裾花川の上流で、鐘鋳堰が「やな」という水をせき止めるしかけを作って水を取ります。時間が来たら梁を壊して、今度は下流の八幡山王堰が水を取る仕組みでした。もともと水の量は十分ではなく、同時に取ることはできなかったのですが、そこに干ばつが起きて、さらに水が足りなくなりました。どちらの農家も生活がかかっていますから、水の奪い合いになり、ついには裁判にまで発展してしまったのです。

鐘鋳堰と八幡山王堰付近の地図。裾花川上流の梁の位置と水の流れが記載されている。

大正13年8月
大変だった様子が残っています

水不足を
なんとかしたい!

この状況を変えようと、当時の長野市長が中心となって動き出しました。
裾花川の水を公平に分けるために 裾花頭首工すそばなとうしゅこう を作り、さらに犀川からも水を取れるように 犀川頭首工さいがわとうしゅこう を作りました。関係する水路や分水工も整備して、水不足を解消しようとしたのです。そして昭和5年12月1日、今の善光寺平土地改良区のもとになる長野県善光寺平耕地整理組合ながのけんぜんこうじだいらこうちせいりくみあいという組織が作られ、水の管理を始めました。
その後、土地改良法という法律ができて、昭和26年6月27日に新しく…長野県善光寺平土地改良区となり、私たちは今も水を守り続けているのです。

丸山辨三郎まるやま べんさぶろう
当時の長野市長

丸山辨三郎の画像。

04 用水路の大切さ

大口分水工には、亀石かめいしという特別な岩があります。この石は「絶対に動かしてはいけない」と決められています。なぜでしょうか。この石を境目にして、左側が八幡川はちまんがわ、右側が山王堰さんのうぜきという2つの地域に水が分かれます。昔、水争いがあった後、この石を目印にして「ここから左右に公平に水を分けよう」と約束したのです。こうして争いを防ぐルールを作りながら、地域の農業は発展してきました。亀石は、みんなで仲良く水を使おうという約束のあかしなのです。

大口分水工の画像。中央に「亀石」が写っている。

今でも同じ場所に
残っています

用水路は農業のためだけのもの?

生活用水
野菜や農機具を洗うのに使います。
防火用水
火事が起きたとき、火を消すのに使います。
消雪しょうせつ用水
降雪の多い地域では、たくさん積もった雪を溶かすのに使います。
環境用水
水路に住む生き物を守るために使います。
地下水涵養かんよう
用水が地面に染み込むことで、地面が沈んでしまうのを防ぎます。
雨水を流す
雨水だけを用水路に流し、大雨で水路があふれないようにしています。
飲み水を守る
犀川浄水場へ水を届け、地域のみんなが飲む水を守っています。

農業のためだけではなく
私たちの生活の身近なところで
こんなに活躍しているよ

みんなの水を守り続けるために

計渇川の画像。周囲をホタルが飛び交っている。
草に留まるホタルの画像

きれいな水路をまもろうね

この写真は、長野市の県立図書館横を流れている、計渇川けかちがわという用水路で撮った写真です。
光って見えるのは、ホタルです。
ホタルは、流れがおだやかで、きれいな水辺にしか住むことができません。ホタルがいるということは、その川や用水路がきれいだということなのです。

用水路は、田んぼに水を運ぶだけでなく、生きものたちの大切なすみかにもなっています。

これからもそんな自然を守っていけるように。
みんなで用水路を大切にしていきましょう。