犀川からの農業用水は小田切ダムの放水路に設置された犀川頭首工から取水をし、川中島と善光寺平の農地へ水を運んでいます。

この犀川頭首工から善光寺と川中島へ水を運ぶ水路は善光寺平土地改良区だけでなく、水を利用する下堰土地改良区と川中島平土地改良区の3つの土地改良区によって土地改良区連合を組織して管理しています。
犀川頭首工含めてこれらの水利施設が作られてすでに60年が過ぎ、老朽化のために施設を補修・補強する必要があります。
こうしていくつかの区間に分けて水路改修の工事を行っていますが、令和5年より始まった県営工事により今現在は主に山の中を通る水路トンネルの補修・補強工事を行っています。
工事を行うといっても農家さんたちは毎年稲作を行っていますから水を止めることはできません。そのため、稲作が終わり、水の必要がなくなる9月末以降の非かんがい期に水を止めて翌年水が必要になる時期まで毎年少しずつ工事を行っています。
農業用水路とはいえ、水路の中には様々な生き物が住んでいます。
その中でも水の中でしか生きることのできない魚は水が止まってしまうと死んでしまうために、水を止める前に水路の外に逃がしてあげる必要があります。
善光寺平へ流れる水路は上流では地下を通る水路トンネルとなっていますが、小市橋の下流300mほどの場所から犀川に沿って地表部に水路が現れます。

ここから下流の二堰分水工までの区間には水を犀川に戻す余水吐(よすいばき)と呼ばれる水門が2ヶ所あります。この余水吐から魚を逃がしていきます。
下流の区間を始めに行い、上流区間の追い出しを行います。


魚の追い出し作業は特別な機械を使うわけではなく人が水路に入って追い立てていくという方法を取ります。
おおよそ1区間700mほどを歩いて下っていきます。朝の9時から行われた追い出し作業は11時ごろに1区間目の作業が終わります。その後2区間目を行いお昼すぎごろまで作業が行われました。
さて、用水路を歩く職員とは別に水路内の水を調整する職員もいます。
大本の犀川頭首工の水の量を絞りながら、余水吐から流れる水の量も調節し、一度にたくさんの水が流れたり、逆に水が流れすぎないという事にならないように調節をしていきます。
そんな調整をしている時に犀川の河川敷付近にも生き物を発見しました。

用水路脇の雑木林の近くに車を停めて降りた所、目の前にこの子の姿が。
写真にとって後に調べたら強い毒をもつニホンマムシとのこと。近寄らなくてよかった……
こうして余水吐までの追い出し作業をすると、用水路にもかなりの数の魚がいることがわかります。

おそらくトラウト系の魚であろうと思われますが、犀川の上流から流れつき、用水路内でも力強く行きています。
そうした用水路に生息した魚を狙い、鵜やサギなどの鳥が暮らしています。一つの生態系となっている用水路の生態系も守りながら、人のための水路も守っていくことが土地改良区の使命になります。